fc2ブログ
2024 / 04
≪ 2024 / 03 - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - - - - 2024 / 05 ≫

会場
    (開演前の会場)

開演30分前で8分入り、始まる頃は100人近い人が別室のモニター室で視聴という盛況である。中高年の女性が多い。

講演開始前の会場に音楽が流れている。
向田邦子が大好きだった曲、introductionの中のspring is hereだという。
彼女はクラシック、ジャズ、日本の歌が好きだったが、日常はジャズを好んでいた。

講師・向田和子は1938年生まれ。現在エッセイシスト。
4人兄妹(姉2人、兄)の末っ子。向田邦子は長姉にあたる。
赤坂で「ままや」(居酒屋風食事処)を約20年営業後、8年前に閉店。
「ままや」は邦子の後押しで開店した。

向田和子の講演「姉・邦子との日々」が始まった。
説明されたとおり、一人講演ではなく、地元のフリーランスアナウンサーMとの対談形式で行われた。

和子は
先ず新幹線を乗り継いで東京から来たと切り出した。
一瞬、会場はえっ!とどよめきのようなものが・・・

姉が飛行機事故で亡くなっているので、母との約束で飛行機に乗らないことにしている。
母は98歳で存命という。
湯布院で途中下車して、温泉に入りそれも楽しみである。
距離は遠くても気持ちは近いと話す。

今日は姉の良いことばかり言わないかもしれない。もう居ないから・・・
鹿児島とのつながりについては
戦前、家族で2年住んだところである。
鹿児島での生活は「気候がよくて食べ物もおいしく、家族みんなにとっても輝いていた時間」であった。

姉邦子について
4人兄妹の長子で、一言で言えば好奇心が強くいたずら。ちょっぴり意地悪な面ものぞかせて。
観察力が鋭い=欠点が先に見える。
欠点も見方によっては特長であり個性になる。

9歳違いの和子にとって、向田作品は、点でしか覚えていない記憶を、邦子が線にしてくれ立体的にしてくれた。
記憶に残ったことを分かりやすく表現してくれた。
姉が大病(乳がん)をした時、私の原点はなんであろうと考えた。その時突き当たったのが鹿児島である。
ものを作る生活の原点も鹿児島にあると。
生前、彼女は多感な少女時代を過ごした鹿児島を「ふるさともどき」と称し愛した。

フリーランサー
「向田作品は私たちに自分のライフスタイルを見せてくれた、提案してくれましたが、」

和子
「おいしいものを食べたい! 外でばかり食べるより家でも作る。
自分の好きなことをやっていることが、自分の心地よいことをやっていることが、多くの女性から共感を得た。
ラッキーだったのでは・・・」
軽妙でユーモアのある語り口である。

着るものも若い時は手作りしていた。
買う時は、高価でもデザインはシンプル、色は数色に限定、同デザインを数枚買い、組み合わせで着まわししていた。何年も大事に着用した。
姉からもらった服は、仕立のしっかりした服で着やすく十二分に着ました。

ちょっと驚いたことは姉邦子のほうが10センチ背が低かった。写真で見る彼女はすらりとして長身に映る。
顔が細面で写真写りがいいのですよと言うが・・・
家の中でも自分のことは自分でやる習慣が身についていた。姉が率先して実践してくれるので下のものは見習えばよかった。

演出家である。
ご馳走する時も頻繁でなく記憶に残るようにと・・・そのへんは巧みでうまかった。
ご馳走して、間を入れず、“おいしいでしょう”と聞くせっかち。
外国旅行をしても土産も高価なものではなく、砂の時もあった。

書画骨董の趣味もあった。
器や焼きもの、アンティーク、どれも秘蔵したり飾る趣味はない。気に入ったものは近くにおいて日常使っていた。
10年前、かごしま近代文学館が創設された。その時8500点の収蔵品が寄贈されている。
館長は、挨拶の中で“結納金なしでたくさんの収蔵品が此処へお嫁入りしました”と話した。鹿児島にとっては、ありがたいことである。

一緒に買い物に行って、気に入ってものがある。買えば良いのにと思うが、
「これで食べるにはまだ欲張らなければなりません」
自分に褒美をあげながら仕事をする人であった。買えそうなものでも買わない。

身内が語る邦子像は、私がイメージするお洒落で、シックで、上等で、タフで探究心旺盛な面ばかりではない。
人が本を著すと、誰でも1冊の本は書けるものよと手厳しい。

今、和子はエッセイシストである。
その彼女が語る。

ものを書くことは言いたいことを書くことである。出まかせや嘘をつくとばれる。
まず彼女がしたことは、1冊の本を一字一句、句読点まで違わず丸写ししてみる、書き写してみることであった。

「ままや」の店がひけてからの写し書きは時間のゆとりがない中での作業である。
正座して書き写した。姉へ対する最低限の礼儀と思い毎日書き写した。
そこから1冊の本を活字にすることの大変さを学んだ。
ものを書くようになって、姉との生活、作品から肉付けの方向性が読めるようになったと結んだ。

身内にもの書きをする人がいてその生活を見てきた。今は見てきた人自身がもの書きをしている。
兄も邦子の事故死後エッセイを書いている。買って読んだ記憶があるが見当たらない。
ネットで検索した。向田保雄著「姉貴の尻尾」、絶版になっている。
血筋を感じた。

対談形式の講演時間1時間30分では時間不足に感じた。もっといろいろなエピソードを聞きたかった。

向田作品は日常生活をテーマにした題材が多く、親近感がある。
これから秋の夜長、また作品を読み返したくなってきた。

Fc2ブログランキングに参加中です。

よろしかったら、ポチッと押してくださると嬉しいです♪

スポンサーサイト




【講演会「姉・邦子との日々」】
コメントありがとうございます

もう、好きな作家・向田邦子の新作を読むことは出来ない。身近なところで見てきた妹の口から語られる邦子像を聞き漏らすまいと、メモを取りました。

直木賞を受賞し、ライターから作家へ踏み出したばかりでした。突然の飛行機事故で帰らぬ人となり残念です。
この記事へコメントする















03 ≪│2024/04│≫ 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
全タイトルを表示

マンマ

  • Author:マンマ
  • 好奇心、やじ馬根性旺盛な熟年おばさん?

Fc2ブログランキングに一票を!

-天気予報コム- -FC2-