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2023 / 03
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6月9日、今日で雲隠れも終わる。
今夜は我が家の布団に足を伸ばすことができる。10日ぶりである。

今回の入院手術は緊急入院ではなく予め予定していたものであった。
そうだからという訳ではないが、病状への思いや、気合の入れ具合もやや気楽なところがあった。

手術中に何度も聞こえたジェネレーターを確認しておこうと思う。
それと命綱であるペースメーカーの復習も。

私がインプラントしているペースメーカーは、徐脈性不整脈治療の一環である。

脈が遅くなる不整脈では、一時的に脳への血液が不足し、めまい、生あくび、ふらつき、失神などの症状が出る。このよう心臓のリズム(心拍数、脈拍数)がゆっくりになってしまう不整脈に対して、ペースメーカが用いられる。
ペースメーカが電気的に刺激を与えて心臓の拍動数(脈拍数)を補う。

専門的な病名でいえば、完全房室(かんぜんぼうしつ)ブロックや洞不全症候群(とうふぜんしょうこうぐん)といわれている病気である。
これらの病気の多くは単独で、心臓の筋肉や心臓の弁には異常がないのにリズムだけがきわめてゆっくりしている(脈が少ない)、という症状で現れる。

私の場合は完全房室ブロックである。
刺激伝導系が心房と心室の間で完全に切れている。不整脈になると、心臓の収縮は1分間に約40回位に低下して目まいをおこす。1年前に診断されてペースメーカーをインプラントした。心臓の筋肉や弁は異常ない。

心臓ペースメーカーは、刺激を作り出すペースメーカー本体(ジェネレーター)と、刺激を伝えるカテーテル電極(ペースメーカーリード)の2つの部分から成り立っている。

 ペースメーカー本体には、内部に電池と電気回路が内蔵されており、その上部にはペースメーカーリードをつなぐための部分がある。ペースメーカーリードは、先端部分に電極があり、その部分が心臓の筋肉に接して、電気刺激を伝える。これらの本体とペースメーカーリードは、手術により体内に完全に植込まれる。ペースメーカーの設定の変更は体外から特殊な機械を当てるだけでできる。

4月末に受けた術後1年の検診で、リード線が少し上がっていて、電極へ伝わりにくくなっていた。よい状態を保つためにリード線を押し込む手術を受けることにした。
今回は負荷も少なく10日間の入院ですんだ。リード線のリセットも出来た。
とはいえ、インプラント後では少数派であると聞き、我ながらお騒がせ人間であると思う。

私は軽症の部類で院内も自由に歩いていた。同室にはベッド上安静の人もいた。
入院中に、若い医師たちの直向きで真摯な姿勢を目の当たりにして感動した。

研修医であろうと思うが病室を頻繁に訪れ、患者に病状や治療について詳細に説明している。よりよい助言もしている。
両隣ベッドから説明の声が聞こえてくる。医学用語を使いながらも分かり易い言い回しで理解しやすい。わたしまで知らない病気の知識を教えてもらったようなものである。

休日も姿が見える。
「土、日はお休みがあるのですか?」
「あってないようなものです」
自分の務めだとさらりと交わす。

患者に接しながら、日夜自分の研鑽に努めている。
病人にとって医者は頼りである。
身近に若き医師たちの日常に接し、頼もしく心強く思った。     おわり

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桜島2

抗生剤の点滴、服用が終わると、入院生活も単調になってきた。院内の行動だけ自由の身では暇をもてあまし気味である。

退院へ向けてペースメーカーのーチェック、胸部レントゲン撮影、血液検査も順調である。退院日も決まり心は我が家へ、傍らで荷物の整理をして不要なものは持ち帰ってもらった。

桜島の山頂は綿帽子を被ったような雲がふんわりとかかっている。
TVで今日は「芒種」と報じている。田植えの頃である。

術日3日目。
日曜日の病室は静かである。
外来が休みであることもあるが、人の足音や話し声も少ない。
入院患者が多勢である。

救急車の音は相変わらず響く。近くに聞こえるとほぼ間違いなく入ってくる。此処は救命救急センターでもある。

朝夕の抗生剤点滴も終わった。機械作動確認のため着けていた心電図モニターも外された。より身軽になって術後の感覚も乏しい。
昼前シャンプーをしてもらった。頭皮の地肌にお湯が流れて心地よい。頭が軽くなって爽快。

今日はTVでも見ることにしよう。売店でTVガイドを買って番組をチェックした。
午後、『第34回ローザンヌ国際バレエコンクール』(再)をやっている。見たい!

TV画面に安倍晋三のインタビューが映っている。
「人生は単線ではない、いつでも乗り換えられる複線である。一回失敗しても再チャレンジできる社会でなければ・・・チャンスは平等に」と語っている。共感する。

3時からバレエコンクールのTVを楽しんだ。
『熊川哲也』もこの17回コンクールで受賞している。
彼は受賞したその年に、英国ロイヤルバレエ団に東洋人として初めて入団してソリストとして活躍した。現在は帰国してカンパニーを立ち上げ、国内外で踊り続ける傍ら、同カンパニーの芸術監督としてプロデュース・演出なども手がけている。

このコンクールは世界バレエ界への登竜門として知られ、15~18歳の人が競う。スイスのローザンヌで毎年開催される。

今年は初めてビデオ提出による予選が行われた。ファイナルに残った16人で、クラシック、コンテンポラリー、フリーの部門で競う。そのうち1/3の強は、日本、中国、韓国などの東洋人である。

6人がスカラシップ賞を受けたが、日本からは群馬県太田市出身の森志乃さん(16歳)が入賞した。
スカラシップ賞は、世界の有名バレエ学校に1年間留学する権利と、生活費として1万6000スイスフラン(約150万円)が授与される。

西欧のイメージがあるバレエだが、今年は身近な東洋人が奮闘している。

病室は6人部屋に5人の患者である。
昨年も一時この部屋に入っていたので、凡その様子はわかっている。
動ける人ばかりで、病室らしからぬ笑いが絶えない部屋であった。

今回は、患者の年齢がより高齢者である。ベッド上安静で歩けない人、数ヶ月間の入院の人と様々である。病も違い、人それぞれに人生模様を抱えている。

これでも私が最年少?(笑ワナイデ)
自分の目にも一番元気そうに映る。10日ぐらいで退院できる私は軽症というべきだろうか。

隣のベッドに孫娘さんがよく来室していた。
動けないおばあちゃんの食事の手助けや、“どこね?”と 薬を塗ったりしている。聞くとはなしに、自然と声が聞こえるがその語り方が優しい。おばあちゃんの話をよく聞いてあげて“そうねぇ”と相槌をうって逆らうような素振りを見せない。聞き上手である。
いい情景だなぁと、ほのぼのとした気分になる。

同居ではないそうだが、言葉を飾るでもなく、思い遣りのある会話の雰囲気が伝わってくる。帰り際には次の来室予定を伝えて“また来るね”と戻っていく。
姿が見えない日はおばあちゃんの心も曇っている。“忙しかったのだろう”と、つぶやく様にトーンも下がる。
若いが、気持ちの優しい女性である。

術日翌日。
夜は1回トイレに起きただけでよく眠れた。
局部麻酔であったが、その後傷の痛みは全然ない。

手術室でのあの看護師さんが
「痛くないですか? 出血もないですね」
リード線を少し触っただけのようである。太ることもリード線が動く一因になると聞く。
心当たり十分である。昨夏の外科手術でベスト体重になっていたが、正月、旅行でくずれてしまった。体重増が影響すると知り、コントロールすべきことを痛感した。

主治医も
“傷口もきれいです”と言って消毒と滅菌ガーゼを貼った。表面のテープは通気性はあるが水は通さない。“1週間ほどこのままの状態で”
「リード線は宇宙遊泳しているようなものですか?」
「そうですね」

午後東側のヴェランダへ出てみた。
風が強い。ここから(6F)鹿児島のシンボル櫻島が見える。
この位置から見る桜島の姿は美しい。

雲間から朝陽が昇るときのシルエットに魅せられる。
うまく捉えられた時は一日幸せな気分になる。
桜島を眺めると、単調な入院生活も慰められる。

見覚えのないものがある。
中央警察近くに昨年はなかった鉄骨組みが見える。10階建てぐらいのマンションのようである。これじゃ桜島の景観台無しである。それでなくともビルの林立で櫻島の前面を遮っていたのに・・・残念!
きれいな山頂の形も見られなくなるではないかと腹立たしい。

この夜は隣ベッドの人の間断なく続く激しい咳でなかなか寝付けない。
CDでも聴こうと思ったら電源のコードを忘れている。
聴きたい曲を選択して持参したというのに・・・
時間がたっぷりある入院中に集中して聴けると楽しみにしていたというのに・・・
曲選びだけに気をとられて悔しい!相変わらずそそっかしい。

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マンマ

  • Author:マンマ
  • 好奇心、やじ馬根性旺盛な熟年おばさん?

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